CAD
はじめに
まずは2次元図面CADを「Nゲージ製作で使うと便利だよ」と息子に勧めているのですが、なかなか敷居が高いようです。
ですが最近はフリーソフトでも高機能なものがありますし、ネット検索で使い方を調べるのも簡単になってきました。
私にとって趣味の工作やDIYに必須の非常に役立つツールです。
Jw_cad
私は2次元の機械図面を描くのにフリーソフトのJw-cadを使っています。
「Jw_cad 使い方」で検索すると解説サイトがいろいろ出てきます。
「Jw_cad 本」で検索すれば解説本もいろいろ出てきます。
建築関連で使っている方が多いようですが、基本的な機能を使いこなせばDIYや趣味の工作に非常に役立ちます。
便利なのは構想段階での試行錯誤だけでなく、正確な型紙を作れることです。
プリンタで印刷した原寸大の型紙をスティックのりで板材などに張り付ければ、穴あけや切断が手早く正確に行なえます。
使用するスティックのりは「シワなしピット」を使っています。貼るときしわができにくく、剥がしにくい時は水をスプレーすると簡単にはがせます。
また3Dプリンタ用の3次元データを作成する時も、よほど簡単なものでない限り事前に寸法記入した2次元図面を作成しています。
経験上、私の場合は最初から3D CADで試行錯誤するよりも2次元で煮詰めてから3次元とステップを踏んだ方がミスが少なく効率よく設計できます。
特に便利だと思うのはマルチレイヤが扱えることです。
多層の透明シートにそれぞれ図を描き、選択して表示するイメージです。
たとえば1枚目にケースなどの外形、2枚目に中に入れる基板や部品、3枚目に寸法数値、4枚目に切り出し用型紙といった具合です。
Fusion 360
ですが3次元設計データの作成が少々厄介です。
企業で使っている3D CADは高価ですがフリーソフトがないわけではありません。
「3d cad フリー おすすめ」などで検索すると比較解説しているサイトが見つかりますので詳しくはそちらを参照してください。
3Dプリンタを購入した際、いろいろ調べて試してみた結果、私はオートディスク社のFusion 360(個人利用版)を使っています。
2次元に比べて3次元CADは一段と操作が複雑で、ネット情報だけで勉強するのは難しく感じました。
幸い、Fusion360は解説本が何冊も出ていて、本に沿ってデータを作成しながら操作の流れを勉強しました。
Fusion360は老舗のオートディスク社の製品だけあって、非常に使いやすいと感じています。
高機能なのに個人や学生(非商用)には無料で使わせてくれているので大感謝です。
なお、無料で使う場合、1年ごとに更新が必要になります。
私は1回目の更新では問題なく更新できましたが、2回目の更新では有料の更新ページしか出てこなくて困りました。
無料で更新できなくなったのかなと思いましたが、探してもそのような告知はありません。
それまで日本語のサイトで更新しようとしていたのですが、ためしにアメリカのオートデスクのサイトで更新を試すと可能でした。
日本でフリー使用のルール違反でもあったのでしょうか?。
2020年10月に、同時編集可能なのは10ファイルまで等の機能制限が追加されましたが、趣味で使うレベルでは問題はありません。
これからも、趣味利用での条件が変わらないことを祈るばかりです。
KiCad
フリーですがCERN(欧州原子核研究機構)が開発に参加するようになり、市販EDAツールのレベルに近いです。
回路図や部品配置図、配線パターン図がきれいに描けるのはもちろんですが、一番のメリットは回路図と配線パターン図の自動チェックでオープン、ショート等配線パターンの設計ミスが防げる事です。
最終的にガーバー形式のデータを出力して基板メーカーに製造を委託するのが本来の使い方ですが、ユニバーサル基板(穴あき基板)に手配線するための配線図や、感光基板を自作するのに必要な露光マスクも作成できます。
部品ライブラリが豊富で自分で追加することもできます。
設計した回路の部品リストも出力できます。
趣味で作る小さな基板ではあまり使う必要がありませんが、オートルータ(自動配線機能)まで使えます。
KiCadの使い方についてはネットでも本でも調べられますし、3D CADに比べれば簡単です。
ですがその前に、電気回路や電子部品についての知識が必須となります。
simplify3d
家庭用の安価なFDM方式の3Dプリンタでは無料のUltimaker Curaが多く使われていると思います。
Curaは無料にもかかわらずいろいろ設定がいじれるのですが、パラメータの意味などわかりにくいと感じました。
そこで有料のsimplify(2万円弱)を使っています。
細かい部品を複製して一度に印刷したり、左右反転形にしたり、印刷の精度やサポート材、温度等を調整してgcodeを生成します。
=== 025年2月追記 ===
3Dプリンタメーカー各社が出しているスライサーもどんどんアップデートされていて
私もメインになった3Dプリンタ(prusa.com社製)にはPrusaSlicerを使うようになりました。
caDIY3D
最近、自治会用の竹箒入れを製作しました。
全体の組み立て図(3面図)や板材カットのための板取り図を作成するのは以外と面倒です。
そこで何か良い木工専用CADがあるのではと検索したら
caDIY3Dが見つかりました。
無料のお試しが30日間可能なので使ってみました。
なお購入する場合はサブスクリプションではなく買取で約1万円です。
使ってみて良かった点は
・3Dの組み立て図入力は直観的でやりやすい。
・3Dの組み立て図をいろいろな方向から見てデザインを確認、修正できる。
・3Dの組み立て図から自動で板取図(カット加工図)や部品表が作成できる。寸法ミスや材料購入漏れ等が起こりにくい。
・一般的に購入できる材料があらかじめ登録されている。希望のものが無ければ自分で登録できる。
改善を期待したい点は
・板材の穴開け指定が直観的でなく面倒。(穴に相当する棒材を配置して切り欠き指定)
・板材の斜め切りは角度指定のみで端点の位置指定ができない。
・曲線カットができない。
・組み立て図から板取図を自動生成できるがあまり賢くない。無駄の多い配置になっらた手動で修正する必要あり。
高頻度で箱ものや複雑な棚などを製作する人には良いCADだと思います。
今後の機能UPに期待。


