3灯式鉄道信号機
はじめに
形状は市販のNゲージ用信号機などを参考にしました。
支柱は外径1.0mmの真鍮パイプで、それ以外はFDM方式の3Dプリンタで作成しました。
LEDは1.0✕0.5mmサイズで、直接配線を半田付けするのは難しそうだったため6X3mmの小さな自作感光基板に取付ました。
下部のΦ10mmの円筒部には丸ピンICソケットを4ピン入れてコネクタとしています。
この初版の信号機は作る手間がかかりすぎるので、もう少し簡単にならないか検討を継続することにしました。
また本物の信号機の写真を見ると、ランプハウスが小さいのでこれに近付ける方法を考えました。
まずLEDを1.0✕0.5mmではなく1.6mm✕0.8mmの少し大きいサイズにして直に配線を半田付けし、基板は使わないことにしました。
また柱を真鍮パイプではなく3Dプリントで作ることに挑戦しました。
配線を柱の中に通すと太くなってしまうので、後ろの側面に沿わせて塗装で隠蔽することにしました。
ということで、以下にセカンドバージョンの3灯式信号機を紹介します。
2次元図面
3D設計の準備として作成した2次元寸法図を添付しました。
3次元モデル
3Dモデルは本体とコネクタ固定用部品に分かれています。
FDM方式の3Dプリンタで本体を立てたまま印刷するのは柱部分が細くて無理です。
水平にすれば柱部分が印刷できるようになりますが、スライサーソフトでgcodeを作成する際に図のようにサポート部分が追加されます。
そのため印刷後にサポート部分を取り除き、痕跡をきれいに消す必要があります。
内側なのでサポートの痕跡が残っていても組立後には見えなくなるため除去後の整形が不要です。
ただし分割する場合は柱部分が細く薄いので、3Dプリンタのベースプレートから剥離するときに破損しないよう注意が必要です。
鏡像反転はCuraやSimplifyのスライサーソフトで簡単に行なえますが、念のためそれも場合分けしたSTLデータを添付します。
Light3L.stl : ランプが左側の信号機本体
Light3R.stl : ランプが右側の信号機本体
Light3LF.stl , Light3LB.stl : ランプが左側の2分割信号機本体の前と後ろ
Light3RF.stl , Light3RB.stl : ランプが右側の2分割信号機本体の前と後ろ
Light3C1.stl : コネクタとLED間を配線後、ランプ本体に接着するコネクタカバー
Light3C2.stl : 信号機につなぐドライブ回路側コネクタの固定用部品
3Dプリント
ノズル径はFDM方式の3Dプリンタで一般的な0.4mmを使っています。 レイヤー厚は小さめの0.1mm、充填率は100%に設定しました。
信号機本体を一括で印刷するか、2分割で印刷するかは実際に試して分割方式にしました。
私は3Dプリンタを改造していて(3Dプリンタ改造を参照)フィラメントは主にABSを使っています。
ベースプレートにガラス板を被せているので、印刷が終わって冷却すると楽にはがせて、はがした面も非常に滑らかになります。
一括と2分割のどちらが良いかは3Dプリンタによる(特にベースプレートの素材や表面形状)と思います。
分割プリントした信号機本体の写真を貼付します。
配線方法
線径は0.10mmでも良いと思います。
0.05mmでは切れやすく、0.2mmでは太すぎます。
表面が平らで熱に強い台を用意し、そこに両面テープで発行面を下にしてLEDを張り付けます。
ポリウレタン線の先端1mmぐらいをこての先のはんだ溜まりに突っ込んで被覆を除去し、はんだメッキします。
LEDの端子側にもはんだを盛っておきます。
LED端子の上にポリウレタン線の先端を載せ、はんだごてを軽く当ててはんだ付けします。
ポリウレタン線の長さは最短でも10cm以上と長めにします。
各LEDのアノード(+)側を最短とし、カソード(-)側は緑、黄、赤の順に長くしておくと後でコネクタに接続するとき迷わずにすみます。
LEDとは逆の配線端もはんだメッキします。
LEDの2端子に配線を接続できたら、ここでLEDの点灯テストをします。
デジタルマルチメータ―のダイオード測定モードか、その他Tipsのページの自作LEDテスタのようなもので配線の接続をテストして問題があれば修正します。
組立
ABS樹脂またはPLA樹脂の場合は溶剤型接着剤(その他Tipsのページの3Dプリント品用接着剤)がおすすめです。
コネクタには2.54mmピッチのIC用丸ピンソケット(2ピン)を使いました。
秋月電子通商で購入できます。(通販コードP-00673)
1信号機あたり4個必要です。
私は手持ちの1✕40ピンソケットを切断したものも使っていますが、手間がかかるのでおすすめしません。
このICソケットをLight3LC1とLight3LC2のそれぞれに2個づつ写真の様に瞬間接着剤で取り付けます。
瞬間接着剤は少し粘度が高めの刷毛ぬりタイプが作業しやすいように思います。
そのため2個を合わせて3Dプリント部品に差し込む時に穴位置と合わない場合は片側を180度回して試してみてください。
私の3Dプリンタでは穴径が小さめに出来上がるため、接着前にΦ1.4mmのドリル刃で仕上げ加工しています。
角穴が小さめの場合はピンソケットのプラ部分を削って押込んでいます。
配線はコネクタ収納部の柱付け根付近の穴に通してから、柱の背面に沿わせて接着します。
LEDのアノード(+)側の3本はまとめて1つのピンにはんだ付けします。
導通テストをしてOKなら余分な配線をカットして信号機本体に接着します。
あとは塗装ですが、それは息子の担当なので未塗装のままsusukuma鉄道模型チャンネルへ提供する予定です。
逆側は私はXHコネクタ接続にしました。
写真の例では配線材としてフラットケーブルを4本幅に割いて使っています。
コネクタの切り欠き部には接着剤を付けないように注意して台板裏面の穴の縁とコネクタ収納部の境目をグルーガンで接着して終了です。